転職エージェントを信用できないと感じるのは、正常です。私も最初に登録したエージェントの担当者を信用できませんでした。外資系IT志望だと伝えているのに、全く関係のない国内製造業の求人ばかりを持ってきて、しかもこちらが話している最中に遮ってくる担当者でした。
「この人は自分のキャリアのことを考えていない」と感じた瞬間に、信用はなくなります。
しかし、担当者を変えることで同じエージェントでも体験が一変しました。それ以降の転職活動では、書類添削・模擬面接・年収交渉を使い倒し、アクセンチュア・Google・Microsoftへとキャリアをつなぎました。
転職エージェントの問題は「会社」よりも「担当者」にあります。信用できない担当者に当たったとき、どう見極めてどう動くかを、実体験から書きます。
なぜ信用できないと感じるのか
転職エージェントへの不信感は、ほぼ必ず担当者の行動から生まれます。よくあるのは4つのパターンです。
希望を無視した求人の押し付け。こちらが丁寧に希望を伝えても、それを無視した求人を「とりあえず受けてみましょう」と勧めてくる担当者がいます。私がこれを経験したとき、「外資系IT志望と伝えたのになぜ国内製造業が来るのか」という疑問より、「自分の話を聞いていないのではないか」という不信感の方が先に来ました。
転職を急かすプレッシャー。「今すぐ動かないと機会を逃す」という言い方で転職を急かす担当者は、求職者の事情よりも自分の成約タイミングを優先しています。転職エージェントは転職が成立することで報酬を得る構造のため、成立を急ぐインセンティブが働く担当者が一定数います。これは構造的な問題で、特定の担当者の問題でもあります。
企業の実態を隠す。転職を成立させるために都合の悪い情報(残業の実態・離職率・職場の雰囲気)を積極的には教えない担当者がいます。ただし正直に言うと、エージェントが全ての情報を持っているわけではなく、伝えられない情報もあります。「隠している」のか「知らない」のかは、聞いてみることで見極められます。
レスポンスが遅い・連絡が雑。面接結果の連絡が何日も来ない、約束した連絡が抜ける、情報に誤りがある。これは担当者のキャパシティや意識の問題で、信頼関係の土台が作れないシグナルです。
担当者を変えたら何が変わったか
最初の担当者を変えると決めて、同じエージェント内で担当変更を申し出ました。「担当者の進め方と合わないので変更していただけますか」と伝えただけです。これで何かペナルティがあるわけではありません。
変わった担当者は、最初の面談でこちらの希望・軸・優先順位をきちんと聞き取ってくれました。求人の提案が変わり、書類添削のフィードバックが具体的になり、模擬面接では「笑顔を意識してほしい」という細かい指摘まで受けられました。この指摘を受けてから面接通過率が変わりました。
担当者が変わることで、同じ会社のサービスでも全く別の体験になります。最初の担当者への不満を「エージェント全体への不信感」に変換してしまうのは、選択肢を狭める判断です。
ブラック企業に在籍中に「相談だけ」のつもりでエージェントに行ったとき、その担当者から「今は転職のタイミングではないかもしれない」という逆方向のアドバイスをもらったことがあります。成約を急ぐ担当者なら絶対に言わない言葉で、これが誠実なエージェントの姿だと感じました。信用できる担当者は存在します。当たるかどうかが問題です。
信用できない担当者のサイン
実体験から、これが見えたら注意という具体的なサインを整理します。
| 初回面談での動き | 信用できる担当者 | 注意が必要な担当者 |
|---|---|---|
| 希望の聞き方 | 軸・優先順位・背景を深掘りする | 条件をさっと聞いて終わる |
| 話の聞き方 | こちらが話し終えるまで待つ | 途中で遮って自分が話す |
| 求人の出し方 | 「なぜこの求人なのか」を説明する | 数だけ多く出して選ばせる |
| 都合の悪い情報 | 残業実態や離職率を正直に伝える | ポジティブな情報しか言わない |
| 転職への姿勢 | 「今が転職の時期かどうか」も一緒に考える | とにかく転職を急かす |
初回面談でこの表のどちら側に当てはまるかを観察するだけで、担当者の質がほぼ分かります。
対処法:3つの動き方
まず担当者変更を申し出る。「担当の方と進め方が合わないので、変更していただけますか」と伝えれば足ります。遠慮する必要はありません。変更を申し出たことで態度が急変する担当者もいますが、そのときの反応自体がその担当者の質を示しています。
次に複数社同時登録で比較する。私は3〜4社に同時登録して担当者の質を比べながら進めていました。同じ会社への重複応募さえ避ければ、複数登録は合否に影響しません。担当者の質を比べる唯一の手段は、並べて見ることです。1社だけに絞ると比較軸が持てないため、担当者の質が良いのか悪いのかの判断もできません。
最初の面談で軸をはっきり伝える。「どんな希望でも受け入れます」という態度は、担当者に都合よく扱われる可能性を上げます。「外資IT・フルリモート・年収○○万以上が最低ライン」と最初から明確に伝えると、担当者も動きやすくなり、ズレた求人が来にくくなります。私はこれを始めてから、提案される求人の質が変わりました。
信用できるかを判断するチェックポイント
登録前・面談後に確認できる項目です。
登録前に確認できること: 対応業界と職種が自分の希望に合っているか、担当者の口コミで「話を聞いてくれない」という声が複数出ていないか、非公開求人の取り扱いがあるか。
面談後に確認できること: 最初の面談でこちらの希望を深く聞いてくれたか、「なぜこの求人を提案するか」を説明してくれるか、転職を急かすプレッシャーをかけてきていないか、企業の良い面と気になる面の両方を教えてくれるか。
エージェントを使うべきかどうか自体を迷っている方は[リンク: 転職エージェントを使うべきか記事(/agent-rely/)]も合わせて読んでください。
実際に信用できるエージェント
| エージェント | 信頼できる理由 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 【リクルートエージェント】 | 担当者教育の水準が高い・書類添削と模擬面接が充実 | 初回・幅広い業種・まず比較の基準にしたい |
| JAC Recruitment | 外資・ハイクラスの業界知識が深い担当者が多い | 外資・管理職・グローバル転職 |
【リクルートエージェント】は、まず登録すべき基本のエージェントです。担当者にばらつきがあることは正直に書きますが、担当変更の対応が整っているため、合わなければすぐに変更を申し出られます。私がここで受けた書類添削の3点の指摘(PREP法・ネガティブ表現の排除・実績の数字化)と模擬面接は、その後の全転職で土台になりました。信用できる担当者に当たるかどうかは登録してみないと分からない部分もありますが、規模と実績からすると確率は高い方です。
外資系・ハイクラスを狙う場合はJAC Recruitmentを並行登録することをすすめます。担当者が業界知識と選考傾向を持っており、企業の実態についても詳しい情報を教えてもらえることが多かったです。Google転職時にエージェントの交渉で当初提示から100万円以上アップできたのも、この担当者の力がありました。
エージェントの具体的な活用方法は転職エージェントの使い方記事に、選び方の判断基準は転職エージェント選び方記事にまとめています。担当者との相性の問題は転職エージェント合わない記事でも詳しく扱っています。
よくある質問
信用できないエージェントと信頼できるエージェントの最大の違いは何ですか。
最初の面談で「こちらの話を聞くか、自分の話をするか」です。信頼できる担当者はヒアリングに時間をかけ、希望の背景まで掘り下げます。信用できない担当者は条件をさっと聞いて、すぐに求人を出してきます。最初の30分の面談で大体の質が分かります。
複数のエージェントに登録するとき、他社利用を伝えるべきですか。
基本的には伝えておくと誠実です。「他にもいくつか登録して比較しています」と伝えることで、担当者も対応を丁寧にする傾向があります。ただし正直に伝えることで態度が変わる担当者は、そもそも信頼を置かない方が良いシグナルでもあります。
無料なのに信頼できるサービスが提供されるのはなぜですか。
転職が成立すると企業側から成功報酬を受け取るビジネスモデルのため、求職者の転職成功がエージェントの利益になります。優良なエージェントは「良いマッチングを実現することが長期的な評判になる」という判断で、質の高いサービスを提供します。ただし成功報酬を急ぐインセンティブが担当者レベルで働くことも事実で、だからこそ担当者を見極める必要があります。
まとめ
転職エージェントが信用できないと感じるのは正常で、その感覚は当たっていることが多いです。ただし問題の大半は「会社」ではなく「担当者」にあります。
信用できない担当者に当たったとき、やるべきことはシンプルです。担当を変える、複数社で比較する、最初から自分の軸を明確に伝える。この3点を実行するだけで、体験は大きく変わります。
私は最初のエージェントで不信感を持ち、担当を変えることで同じエージェントでも体験が変わり、複数社を並行することで担当者の質の違いが見えました。信用できるエージェントは存在します。探すための動き方を変えれば、見つかる確率は上がります。
著者:ビギー。新卒で入ったブラック企業を3ヶ月で退職後、5回の転職を経てアクセンチュア・Google・Microsoftへ。最初の転職活動で担当者に不信感を持ち、変更と複数登録で解決した経験を起点に、エージェントの使い方を候補者として実践してきた。書類添削・模擬面接・年収交渉を使い倒した実体験から、20代向けに転職のリアルを発信している。